高倉健さんが亡くなって、それを追うように菅原文太さんも亡くなりました。
昭和を代表する2人に、テレビは追悼特集を組み、多くの名場面を流しています。
菅原文太さんと言えば、健さんと同様任侠映画シリーズで有名になりました。
その後「トラック野郎」シリーズで名を馳せましたが、私には「仁義なき戦い」シリーズと近作「千と千尋の神隠し」での声優「釜じい」が印象に残っています。
そんな彼も家族の不幸や東北大震災などを経験し、俳優を引退し農業に従事したり支援する一方、環境破壊、脱原発、秘密保護法撤廃、戦争反対など積極的に「社会的発言」を続けてきました。
亡くなる直前の11月1日、沖縄県知事選での翁長雄志氏の応援集会で、とつとつと噛みしめるような話し口が印象的でした。「政治の役割は二つあります。一つは国民を飢えさせないこと。安全な食べ物を食べさせること。もう一つは、これが最も大切です。絶対に戦争をしないこと。・・・」と自身の少年時代の思い出と合わせて戦争反対・辺野古への基地移転反対を訴えていました。
「仁義なき戦い」シリーズが何故好きだったのか分かりませんが、実録に基づいたリアルさと利権をあさりうまく立ち回る側とその楯とされ捨て駒として使われた若者達が描かれていたように思います。
シリーズ最後の「頂上作戦」のラストで刑務所に送られる途中、窓の隙間から雪が吹き込んでいる廊下で顔を合わせた菅原文太と小林旭が、「もうわしらの時代じゃないのかもしれんのお」としみじみ話すのも印象的でした。
応援演説で、裏切り者で子分達を闘わせてうまく立ち回る悪役山守組長に、「山守さん、弾はまだ残っとるがよ」と脅した台詞を引用して、「仲井真さん、弾はまだ残っとるがよ」とぶつけてやりたいとの発言も。
病状も深刻化していたでしょうに、日本の現状と政治の動きに対し「黙ってはいられない」との思いが、彼を突き動かしたのでしょう。
今日12月8日は10年に及ぶ日中戦争の泥沼化の中、英米を始めとする世界を相手とした無謀な太平洋戦争開戦の日。
高倉健さんは個人を出さず、「社会的発言」もすることなく、映画人としての功績で文化勲章を受賞しました。
「社会的発言や行動」を続けた菅原文太氏には、ふるさと日本の自然や環境を愛し、戦争を憎み平和を愛する庶民から勲章をあげたいと思います。