男を下げた政治家と男を上げた作家
どちらも先月の出来事です。
イスラエルで最高の文学賞エルサレム賞を作家の村上
春樹氏が受賞しました。
この授賞式でのスピーチが、多くの人に感銘を与えてい
ます。
それが「卵と壁」の比喩です。
「高くて、固い壁があり、それにぶつかって壊れる卵があ
るとしたら、私は常に卵側に立つ」ということです。
どれだけ壁が正しくても、どれだけ卵が間違っていようと
も、私は卵の側に立つ。
受賞スピーチは英語ですが、すぐに日本語に訳され、歴
史に残る名演説と評価されています。
受賞スピーチ 47NEWS編集部日本語仮訳 ↓
「speech.pdf」をダウンロード
イスラエル軍によるガザ攻撃で、子供や老人を含む千人
以上が犠牲になり世界から批判を浴びました。
受賞が決まったあと、「授賞式に出席すべきでない。すれ
ば本の不買運動を起こす」などの意見があったが、あえて
「遠く離れているより、ここに来ることを選びました。自分自
身を見つめないことより、見つめることを選びました。皆さ
んに何も話さないより、話すことを選んだのです。」
彼の著書は「ノルウェイの森」「ネジまき鳥クロニカル」を
読んだことがあります。
このスピーチの現地での評価は様々でしたが、少なくとも
世界の平和を望む人々に感銘を与えました。
外国で酩酊記者会見やその後のマナーをわきまえない観
光で評判を落とした政治家との落差を感じさせます。
還暦世代を迎え、作家としての矜持(プライド)で敢えて政
治的とも言える立場に踏み込んだ決意を感じました。
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この会見は多くのメディアによって
たくさん配信されてました。
僕も見ました。大事なものをみつめる力、大事です。
投稿: 栄治 | 2009年3月 1日 (日) 09時06分